教員不足解消に向けてできることは?移住が一つの解決策?

教育

「4月になっても担任の先生がいない。」
「担任の先生が年度の途中で変わってしまった。」

最近こんな話をよく耳にします。

教員不足が問題となっている昨今、そもそも教員不足の原因は何か、その解決策は具体的にどんなものがあるか、元小学校教員の立場から解説していきます。

教員不足の原因

原因① 定年退職者が多い

年々定年退職者が増加しています。
これは1970年代前半に生まれた第二次ベビーブーム世代(団塊のジュニア世代)の就学に合わせて大量に採用された教員が定年を迎えているためです。
各自治体は定年した教員を再任用したり、若手の教員を大量に採用したりするなどして、教員不足にならないように対策をとっています。

私が以前勤めていた学校でも50代と20代の教員が多かったです。
さらに再任用の教員や時間講師の教員も多くいました。

原因② 教員を志す人が減っている

定年退職者が増加している中、教員を志す人が減っていることも事実です。
原因としては、長時間労働が常態化されていること業務量が多いこと給料などの待遇面がよくないことなどが挙げられます。

特に業務に関しては、本業の授業や教材準備に加え、教材購入の発注や事務処理、各自治体の統計や調査に対する書類作成などがあります。
さらに運動会や文化祭等の行事前には、それに向けての計画や準備、学期末には成績処理などの、時期によって次から次へと業務が舞い込んできます。

私の小学校教員時代も、行事前は定時を過ぎてもその準備に追われたり、休日に成績処理をしたりすることもありました。


教員不足解消に向けての解決策

解決策① 働き方改革

自治体や学校でできる範囲、個人ができる範囲で異なりますが、一人一人が働き方を効率よく工夫していくことが大切です。

自治体や学校ができる範囲としては、メールやアプリなどによる欠席連絡の導入業務時間以外の電話応答を自動化する留守番電話の導入教科担任制の導入などがあります。

実際、私が赴任していた学校では、上記3つのシステムは導入していました。
特に教科担任制に関しては、担当する教科が少なくなる分、授業準備の時間が少なくなるので、業務時間の短縮に大いに役立っていました。

個人ができる範囲としては、子ども自身が丸付けをするなどして宿題のチェックを簡略化したり授業時間内に丸付けをしたりノートチェックのポイントを絞って効率化したりすることなどが挙げられます。

とにかく子ども自身に任せる、教師が見る回数を極力減らすということが大切だと思います。


解決策② 給料などの待遇面の改善

教員の給料自体はそんなに安いものではありません。
大卒のサラリーマンぐらいの平均の給料ぐらいはあるでしょう。
しかし、ほとんど残業代が付かないにもかかわらず、サービス残業をしているという実態があります。
忙しさの割に給料が高くないといわれるのもこのためでしょう。

2023年度5月には、自民党から給特法」という法律により残業代を支払わない代わりに教員の月給への上乗せ分を、現在の4%から10%以上と、2.5倍以上に引き上げるべきだという提言が出されました。

働き方の改革も含めて様々な問題はありますが、この提言が実現すると、教員志望者が増えるかもしれませんね。

解決策③ 自治体の広報活動

各自治体が教員志望者を増やすために広報活動を行うことも必要です。
具体的には、ポスターやホームページを使って自治体の教員の魅力を発信したり教員志望者向けに自分の自治体以外にも説明会を行ったりすることが挙げられます。

2023年2月には、徳島県が東京都で説明会を行っています。
その他の地方自治体でも、主要都市に向けて説明会を行っているところは多くあります。

主要都市だけではなく、地方の魅力に注目が集まっている昨今、UターンやIターンで移住する教員が増えることで、日本全国の教員不足が解消できるかもしれませんね。

まとめ

<教員不足の原因>
①定年退職者が多い
→若手を大量に採用しないといけないが、そもそも人がいない。
②教員を志す人が減っている
→長時間労働の常態化がしていることも原因の一つ。

<教員不足解消に向けての解決策>
①働き方改革
→自治体や学校、個人でできることがそれぞれある。
②給料などの待遇面の改善
→残業代が増やすことも一つの対策。
③自治体の広報活動
→それぞれの自治体の魅力を発信して、移住してもらうことも必要。

最後までお読みいただきありがとうございました。
教員不足解消のためには、自治体や学校、教員それぞれの立場から教員の魅力を発信していくことが大切です。
教員が不足して不利益を被るのは子どもたちです。
日本の未来が担う子どもたちが幸せに暮らせるように、少しでも日本の教員が増えていくことを願っています!

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