JICA海外協力隊 派遣前訓練の内容は?

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派遣前訓練とは?

派遣前訓練ではどんなことをするのでしょうか。
まずは派遣前訓練の概要を紹介します。

派遣前訓練とは、現地で円滑な活動を行えるよう、語学をはじめ、安全・健康管理意識や異文化理解を学ぶ訓練です。
長野県の駒ヶ根訓練所、福島県の二本松訓練所のいずれかで行われます。
訓練期間は約60日間です。

訓練所は派遣国ごとに決められていて、私の場合は駒ケ根訓練所に行きました。

語学学習

訓練所での学習で大きな割合を占めるのが語学学習です。
大体が1日5コマの語学授業と2コマの語学自習というスケジュールです。
語学クラスは言語ごとにレベル別にクラスが分けられます。
クラスは入所1週目に行われる語学テストの結果をもとに振り分けられます。
最初のテストで不合格になることはないので、肩の力を抜いてリラックスして臨みましょう。

私の場合は英語だったので、クラスが複数に分けられましたが、訓練言語によっては人数の関係でクラス分けがない言語もあります。
私が訓練所にいた時は、スペイン語、フランス語、英語、ポルトガル語、ロシア語、ウズベク語、キルギス語、シンハラ語、ヒンディ語がありました。
スペイン語が最も多かったです。

授業内容

授業内容は訓練言語やクラスによって異なります。

私の場合は英語だったので、スピーキングがメインでした。
決められたテーマに関するディスカッション、プレゼン、模擬授業、英語を使ったゲームなど様々です。
JICA側から支給されるテキストや語学の先生が提供するテキストで学習することもありました。
他の訓練生に聞くと、スペイン語やフランス語などはテキストを中心に文法やリスニング、スピーキングをバランスよく学習していたそうです。

毎週金曜日には確認テストがあります。
文法やリスニングが主な内容です。

最終試験

訓練の最終週に最終試験があります。
リーディング、ライティング、リスニングのテストの後、面接形式でスピーキングのテストをやりました。
リーディング、ライティング、リスニングの内容は、文法や文章の読み取りなど、多岐にわたります。

英語の場合は、クラス分けのテストとほぼ同じ内容で、TOEICの形式に似たテストでした。

スピーキングのテストでは、テーマに関する説明がメインでした。
例えば、「病気になった時、どうやってクリニックで診てもらえばよいか。」「日本の教育の課題を教えてください。」など、実践的な内容が多かったです。
授業で扱った内容もあったので、しっかりと授業内容の復習をしておけば問題ありません。

その他の講座

その他の講座には安全対策異文化理解などにに関するものがあります。
講義形式のものもありますが、協力隊に参加するにあたり自分のやりたいことを共有したり、犯罪に巻き込まれそうになった時にどう対応するか実演したりと、アウトプットする時間も多くありました。

その中でも、特に印象に残っている講座は「事例研究」です。
この講座では、4人一組でそれぞれに役割を与えられます。
一人は協力隊のボランティア、一人はカウンターパート(主に一緒に仕事をしていく現地人)、もう二人は上司と同僚の役割を担当します。

ボランティアにはあるミッションが与えられます。
ボランティアはそのミッションを時間内に他3人と協力して解決しなければなりません。
しかし、3人はやる気がなかったり、仕事をしなかったりします。
そんな彼らを訓練言語(私の場合は英語)で説得しなければなりません。

私はボランティアの役割を担当しましたが、なかなかコミュニケーションがうまくいかないことを経験できたり、実際の活動をシミュレーションできたりしたことは、本当に貴重な経験になりました。

皇太子殿下とのご接見

60日間、訓練所で生活する派遣前訓練ですが、訓練スケジュールとして、唯一東京に行ける機会があります。
それは皇太子殿下とのご接見です。

赤坂の御用邸に招かれ、皇太子殿下と皇太子妃と一言お話しすることができます。

私は秋篠宮殿下と紀子様とお話しすることができました。
特に紀子様とは鬼遊びの話題で盛り上がり、とても嬉しかったです。

一日のスケジュール

ここからは一日のスケジュールを紹介します。
あくまで僕の場合のスケジュールなので、ご参考までに。

6時 起床

6時30分 運動(ジョギング、リフティング、卓球など)

大体6時には起きていました。
朝は自主的に集まって運動している仲間が何人かいました。
もちろん義務ではないので、朝食の時間までぎりぎり寝ている人もいました。

7時30分 朝食

7時20分~8時までの間に朝食をとることができます。
3食すべて、寮の食堂で食事が提供されます。
栄養バランスの取れた食事で量も調整できたので、本当にありがたかったです。

8時15分 朝会

月曜日から金曜日は、朝会があります。
毎日一国ずつ、派遣される国の隊員が国の紹介と国旗の掲揚を行います。
その他の事務連絡もこの朝会で行われます。

8時45分~11時40分 語学授業

オリエンテーションやその他の講義がある場合を除き、ほぼ毎日語学授業が行われます。
午前中は3コマあります。
内容は訓練言語やクラスによって異なりますが、文法事項の確認やリスニング、スピーキングの実践など、様々な観点から語学力を鍛えていきます。
毎週金曜日に小テストがあります。

11時40分 昼食

11時40分~12時50分の間に昼食をとることができます。
昼食はラーメンやそば、うどんなどの麺類、エスニック料理やアフリカ料理などの世界各国の料理が提供されることが多いです。

13~17時 語学授業&自習or講義

午後は4コマあります。
2コマ語学授業、2コマ語学自習であることが多かったです。
この時間に週に1回程度予防接種の時間が入ったり、その他の講座の時間が入ったりします。

17時~ 自由時間

この時間から22時までの間、外出することができます。
コンビニに行ったり、散歩に行ったりする人もいます。
この時間に週に1回は班別ミーティングが入ります。
班別ミーティングでは、班長会議で話に出たことやその他の訓練生活に関することを確認します。

18時 夕食

18~19時は夕食の時間です。
夜も栄養バランスの取れた食事が提供されます。
僕自身は量も満足で、毎食ご飯を大盛にしていました。

19~22時 自由時間

この時間は外出することができます。
自習の時間に終わらなかった課題をしたり、プラスアルファで自習をしたりする人もいます。
最寄りのコンビニが約1km先にあるので、そこまで歩いてお酒を買って飲む人もいました。
寮の中でお酒を飲むことは禁止されているので、飲むとしたらコンビニかさらにその先にある居酒屋で飲んでいました。
なお最寄りの居酒屋は2kmほど離れているので、22時の門限との戦いになります。

22時 入浴

17時~22時30分までの間、自由に入浴することができます。
大浴場なので、ゆっくり入ることができます。
なお、シャンプーや石鹸等は持参しなければなりません。

23時 就寝

23時に消灯になります。
部屋の中だと自由に過ごせますが、私の場合は朝早く起きていたので、ほぼ消灯と同時に寝ていました。

イベント

訓練所では、スタッフの方の許可が下りれば、自由にイベントを開催することができます。
やはりこれから海外に出て活動する志を持った人たちなので、こういったイベントを企画するのに長けている人が多いです。
私たちの隊次では、運動会やその他のスポーツ大会、文化祭のようなフェスを行いました。

運動会

班対抗で運動会が開催されました。
競技はフラフープリレー、借り物競走、○×クイズ、大繩、玉入れ、障害物リレーを行いました。
企画側としても参加しましたが、とにかくみんなが楽しめるように、老若男女問わずそれぞれの力が発揮できるように工夫したことを覚えています。

各スポーツ大会

運動会の他にも、バレーボール大会やBaseball5大会が開催されました。
特にBaseball5は野球隊員がいたので、野球に少しでもみんなに親しんでもらおうという思いで開催されました。
バレーボールもBaseball5も白熱した戦いが繰り広げられ、見ている方もとてもワクワクしました。

フェス

文化祭のような形でフェスが開催されました。
漫才やダンス、合唱や合奏など、あらゆるジャンルの出し物がありました。
それぞれの得意なところを生かされていたので、一人ひとりが輝いていました。
私も合唱とダンスに参加しましたが、高校生に戻ったような気持ちになり、青春をもう一度味わったような感覚になりました。

まとめ

派遣前訓練とは、約60日間、語学を中心に、安全・健康管理意識や異文化理解を学ぶ訓練。
長野県の駒ヶ根訓練所、福島県の二本松訓練所のいずれかで行われる。
イベントを自分たちで企画したり、多くの仲間と交流したりすることができ、同じ志を持った仲間と寝食をともに過ごす中で、人間的にも成長することができる。

最後までお読みいただきありがとうございました。
JICA海外協力隊は派遣前訓練に参加するだけでも本当に価値あるものだと感じることができます。
海外で活躍したい、人間的にも一回り成長したいという人は、ぜひJICA海外協力隊に応募してみてください!

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